09. 1月 2014 · 力と根性では解決しない「手首」の問題 はコメントを受け付けていません。 · Categories: ピアノレッスン

 piano hands

■上達とは、力の抜き方を体得すること

今日は、ピアノの「手の使い方」についてです。

何の楽器でもそう、
いえ、楽器だけではなく、スポーツや武道も、
結局、身体を使うことは全部そうかもしれない。

上達するためには、
いかに「力を抜く」か、というのが一番のコツとなってきます。
上達とは、力の抜き方を体得することではないか、とさえ私は思います。

達人ほど、無駄な力が抜けて、
必要なところに必要なタイミングで、瞬間的に力を使っています。

片や、とにかく初心者はガチガチで、力はいりまくり。
これは仕方のないことです。

力が入っていると、手も指も満足に動きませんし、
音もキツくてガサツなかんじのする、いわゆる「痛い音」になってしまいます。

そういう私も、子どものころから学生時代〜その後に至るまで、
とっても力の入る弾き方をしていて、
指は動かないし、手は辛いし、タッチはキツイ。
ピアノが楽しいと思ったことはほとんどありませんでした。
(当然ピアノ科など目指そうとも思わず、作曲科へ行ったわけですが)

先生には「もっと力を抜いて!」などと言われたりします。
しかし、力を抜いてって言われたってそれどうやんの!? ってかんじで
わからずじまい。 
ピアノにはずっと苦手意識を持っていました。

それでも、ピアノの仕事をしたり、先生をしたりしていたわけなのですが、
ある時、生徒さんのために教本選びをしていたら
出会ったのがこの本です。

キャサリン・ロリン ロリンピアノコース テクニック1

 

■長年のピアノの悩みに光が

初歩のピアノ教則本です。

生徒さんより前に、私自身がやってみました。
なんと、「力を抜く」とは手首の柔軟性のことだったんだ!!
と、私は初めてわかりました。

手首ってそうやって使うものだったんだ!
指の関節ってそういう役割をしていたんだ!
重さとか重みって、そういうことだったんだ!

きちんとピアノを習っている方にとっては当たり前のことかもしれませんが、
残念ながら、私は過去にそういうことを教えてくれた先生に出会わなかったので、
この本に出会って本当に助かりました。

それがわかるようになったら、ピアノの弾き方が変わり
これまで限界になっていたいろんなことが解決へ向かいました。

 

■「ピアノの極意」を最初から身につける

 この本は、とにかく最初から
「手首の使い方・重力のかけ方・抜き方」に徹底して焦点しています。

指の動かし方とかじゃないんです。
とにかく手首!手首!

書いてある譜面はそれこそ「ド、ド、ド・・・」とか「ド・レ・ミ・・・」とか
シンプル極まりなく、いかにも初心者の入門用ですが、
「ピアノを弾く上で一番重要なポイントは手首の柔軟性」ということを
ズバリ説明しながら徹底して体得させてくれるプログラム構成。

実はこれが、通常何年弾き続けてもわかるか、わからないかぐらいの「ピアノの極意」。
それを最初からあっさり身につけてしまえるスゴイ本!だと思います。

 

■力と根性では解決しないのよ

最近の世間のピアノレッスン事情はあまり知らないのですが、
少なくとも私は数十年来、
こういうことを教わった経験は一度もありませんでした。

もちろん伝統的なピアノ教本にも「手首の柔軟性」などの言葉は書いてあったり、
先生にも「もっと力を抜いて!」などと言われたりします。
しかし、じゃあどうやったら手首が柔軟になるのか、という具体的な道筋は示されず、
ハノンを毎日1冊やれ!とか、そういう根性系の話で終わるじゃないですか〜。

でも、今だから言えるけれど、力の抜き方がわからないで根性系の練習やっても
よけいに力を入れてダメになるだけだから。

先生も曖昧なまま、生徒もわからないまま、
「まあやっていればそのうちに」みたいなところにとりあえず片付けて、
次の曲へ次の曲へと進んでしまって、
いつのまにか楽譜は中級者編・上級者編までいっていたりして。

でも結局それがわかって(できて)いないから、いつまでも手はガチガチ。
だから指が動かない、音が揃わない、速く回らない、何度練習しても弾けない。
そこを頑張って弾くから手が痛い・・・
結局思うように弾けないからつまらなくなってやめてしまう、とか。
ひどいケースではあげくの果てに腱鞘炎、とか。

そんなところに陥ってしまった人が何人いるでしょうか・・・。
ほかならぬ私は、それで数十年の歳月を過ごしてしまった一人です。

■効能あらたかな教本

そんな曖昧かつ暗黙の内に語られない「手首のカラクリ」に
明晰な洞察と分析が与えられ、
的確で具体的な言葉で説明され、
さらにそれを身につけるための具体的な練習が書いてある、
ロリン・ピアノコース テクニック。

これを正しくやれば絶対に手首は柔軟になるようにできてます。

そうやって手首が使えてくると、
音色が変わってくる、指が動くようになる、
強弱やフレージングの表現も自在になる、
手が楽になって弾くのが楽しくなる・・・良いことづくめです。

つくづく、私もこれを最初から教えてもらえれば、
どんなに上手くなっていただろうか・・・と残念な思いも湧いてきますが、
まあこれも巡り合わせ。

自分自身が苦労したからこそ、そのことの大事さがよくわかって
生徒さんにもお伝えすることができるのだと思います。

もちろん私の生徒さんにもこの本に取り組んでもらいました。
その結果、全くの初心者だったある青年は、
最初から手首が柔軟に使えるようになっているものだから、
半年後には初心者と思えないような美しい音色で情感たっぷりに
「Yesterday Once More」(もちろん両手)を弾いていました。

また、昔ツェルニー100番まで習ったけど、手が動かなくて挫折したという主婦の方は、
この本をゆっくり1年くらいやっているうちに、
だんだん手が楽に動くようになって、
以前挫折したツェルニー100番をもう一度楽しく勉強されています。

そんな効能あらたかなこの教則本。
初心者の方にも、今一度取り組み直したい中級者にもにもお勧めです。

ただ、説明が書いてあるとは言え、やはり体を使うことですから、
独学だと意味がわからなかったり、
自分が正しい形になっているかどうかわからず、
方向が違ってしまう危険もあります。

少しでも実際に先生に見てもらう機会を持てるようなら、なによりです。

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