09. 5月 2014 · 仕事膨大。目立たない。印税なし。アレンジャーの仕事 はコメントを受け付けていません。 · Categories: その他, 作曲, 音楽文化, 音楽進路相談

 digidesign5画像はこちらのサイトからお借りしました

 

音楽における「アレンジ」つまり編曲。

その言葉は皆さん聞いたことがあると思いますが、

具体的に何をするのか、知っていますでしょうか?

もちろん、音楽好きの方はわかっているかもしれませんが、

意外と漠然として、あまりよくわからない方もいらっしゃるようなので、

今日は編曲について語ってみたいと思います。

 

■作曲と編曲の違い
bar_red2

 

アレンジとは編曲のことです。

編曲とは何か?

 

まず作曲との違いをはっきりさせましょう。

 

ポピュラー音楽の世界ではほとんどの場合

「メロディーを作ること」を作曲といいます。

歌モノだったら、歌の部分ですね。

メロディーさえ作れば「作曲」として扱われます。

だから、音符とかコードとか、音楽のことはあんまりわかってなくても、

センスがよくて鼻歌で作れちゃうような人は、

それでも「作曲した」ということになり、ちゃんと印税が入ります。

 

しかし、メロディーだけで音楽になるわけじゃありませんね。

メロディー以外に、和音(コード)やリズムが必要ですし

他の楽器が後ろでいろいろやる必要があります。

それによって、曲の雰囲気が決まり、

曲の具体像というものが構築されるわけですね。

 

つまり、メロディー以外の全部を考えること。

これが編曲ということになります。

(注:ただし、管弦楽などクラシックの場合は作曲/編曲一体型なので、またちょっと違います)

 

■編曲の仕事の中身って
bar_red2

 

どんな雰囲気の曲にするために

どういうリズム、テンポにしたらいいのか。

どういう楽器を使って、それぞれがどういうことを弾いたらいいのか。

決めないといけません。

 

さらに、イントロはどうするのか、メロディーは何回繰り返すのか、

間奏は? その後の展開は? 終わり方は?

といった「構成」も考えなければいけません。

 

じゃあ、その構成を作るために、

どの楽器が、どんな音で、どこで出てきて、何をするのか。

聴いている人が飽きないためには、少しずつ何か変えていく必要もあるし。

どこで盛り上げて、どこで静かになって、どこで訴えるのか。

盛り上がるためには、どの楽器が何をすればいいのか。

切なくするためには、どの楽器が何をすればいいのか。

 

そういったこと全部。

どんな音を、どんな和音とリズムで、

どう鳴らせばいいのか、弾けばいいのか全部決めて、

組み立てて、楽譜に書いて、指定して、演奏者に演奏してもらう。

あるいは、コンピュータでプログラミングして音にしていく。

 

この作業を編曲(アレンジ)といいます。

どうです、大変でしょう?

ええ、大変ですよ〜。

それでいて、印税は入らない仕事です(痛)。

 

■アレンジャーという人たち
bar_red2

 

手間ヒマという意味では、作曲に比べてその仕事量は膨大なものになります。

それをやるのがアレンジャー(編曲家)です。

これは作曲と違って、インスピレーションだけじゃできません。

広く深い音楽知識と技術が必須なので、バリバリの専門職です。

アレンジャーという人たちは、

どの楽器をどう鳴らしたらどんな音がして

どういう音を、どう組み合わせると

どういう効果が出て、どういう情感を呼び起こすか・・・・

そういうことを熟知している人たちです。

 

そういうわけで、

メロディー以外の全部を作って決めるのがアレンジャー。

さらに、アレンジャーが決めたことを

音として「聴こえる化」しているのが演奏家。

 

しかし

「この曲いいね〜」と言われて注目されるのは、作曲家。

もちろん、軸となるメロディーあってのその曲ですから、

それでいいんですけどね。

 そして

「演奏グッとくるね、うまいね〜」と言われて注目されるのは、演奏家。

もちろん、素敵な音が鳴ってこその音楽ですから、

それでいいんですけどね。

 

それを支える編曲という存在に気づいている人は

一般的には少ないと言っていいでしょう。

 

そういう非常に裏方的な仕事がアレンジ(編曲)であり、

それをやる職人が、アレンジャーであること。

名前もそんなに出ないし、印税も入らない(しつこいw)。

よっぽどの音楽マニアじゃないと、つとまらない仕事です。

 

時々でいいですけど、

皆さんが聴いている音楽の、実質半分以上が

アレンジャーの仕事であることを

たま〜に気づいて思い出していただけると。

 

歌だけじゃなくて、

たまにはバックの演奏の動きも聴いていただけると。

 

ひっそりとうれしかったりする職人さんも

きっといることでしょう。

 

ひっそりと、私からも、よろしくね。

 

 

Pocket

Comments closed