19. 5月 2016 · 「森羅万象〜ピアノで語るゼーガペイン〜」作曲者による曲解説10〜12 はコメントを受け付けていません。 · Categories: CD森羅万象, コード理論, 作曲, 大塚彩子の音楽活動

sinrabanshouS

4月13日に発売したCD

森羅万象(ありとあらゆるもの)〜ピアノで語るゼーガペイン〜

楽曲解説シリーズ、3回目です。

 

1回目:1.また夏が来る〜4:アルティールまで

2回目:5.光は痛みを超えて〜9.RYOKO まで

 

10. 消されるなこの思い


この曲ができた経緯というのは、実は他の曲とはちょっと違っています。

 

オリジナル・サントラを作る時、最初に音響監督さんから「こういう曲がほしい」という一覧リストをいただくのですが、

この曲は元々リストにはなく、特に先方のオーダーに応えた曲ではなかったのです。

つまり、私が勝手に思いついちゃったので、増やしちゃったというわけ。

メインテーマである「光は痛みを超えて」のメロディーを8分の6拍子でやるのもおもしろいかもー、と思って、

どんなシーンに合うのかはわからないけど「いちおう作ってみましたー」というかんじです。

 

そしたら、作中で非常に大事なシーンに使われていてびっくりでした。

なるほどです。たしかに、結果としてとても忘れがたい印象を残すシーンになっていたように思います。

 

今回のピアノ・アレンジ版では、唯一パーカッションと一緒に音を出しています。

くわしくはすでに メイキング3 で書いていますので、そちらを見てね。

 

叩いてもらっている楽器は、2つ。

「壺」とジャンベ。

壺というのは、ほんとに陶器でできたインドの壺です。

ただし、共鳴のために穴が空いているので水は入りません(笑)

楽器として使うためのもの。

これが、冒頭のなんかアヤしい響きを醸しているのです。

そこに、ジャンベ(こちらはアフリカ由来)の細かいリズムが入ってきます。

 

11. 僕らは明日夢の存在になる


これは全体の中でもかなりクラシックに寄った曲ですね。

もちろん意図的に。

方向性としてはドイツ系・後期ロマン派。

ワーグナーやマーラーあたりがイメージです。

G.Mahler 1860-1911

実は私、昔からクラシックではマーラーが好きで。

 

世紀末的な過剰さと、崩壊寸前の甘い美しさ。

限りなく昇天するような聖性の光と

地獄の底の乱痴気騒ぎみたいな深い闇の

両方を併せ持つようなところに、昔はかなりハマっていました。

 

この「僕らは明日夢の存在になる」は

そういうマーラーの美しい側面を少し意識しているので、

美しいけど厳かな終末感漂うような、そんな曲になりました。

 

何かが終わる時。あるいは人生が終わる時。

必ずしも短調で悲しく泣かせるような音楽ばかりが

別れの表現ではありません。

 

神々しささえ漂うような美しさが

かえってその終末の尊厳を際立たせることがあると

私は思っています。

 

さて、こんなかんじの曲なので

今回、たまたまスタジオにもう一台あったベーゼンドルファーで演奏しました。

その他は全部スタインウェイなのですが、これだけベーゼンなのです。

 

ある意味、渋くて哲学的なベーゼンドルファーの音がこの曲の気分に合っていたので、急なアイディアですが採用にしました。

 

12. 光の戦士

 

オリジナル・サントラでは、エレクトリックなリズムに弦と金管が派手に入った華やかな曲でした。

これも「アルティール」と同じような、カッコいい系戦闘モノです。

 

この曲の一つの特徴として、前半1〜2小節ごとに転調をしていくコード進行があります。

この進行にはいわゆる理論的な裏付けはなく、まったくの思いつきです。

ちょっとジャズ的な2−5(ツーファイブ)の羅列に近いのかな〜。

や、わからん。なんでもいいわ。

結果として、どんどんフェイズが切り替わっていくような浮遊感が出ているんじゃないかなーと思います。

 

一見激しい曲のようですが、実はメロディーだけ聞くとけっこうセンティメンタル

なので、「あ、これはピアノバージョンでもいける!」と思いつきました。

間奏部分はあえてピアノならではの表現で、コードの移り変わりをモヤモヤっと推移させています。

 

あ、書いていて思い出しました。

このコード進行は、たぶんジャズのスタンダード曲「 Invitation」に影響を受けています。

そうだった、そうだった。

狙ったつもりじゃないんですけどね。

 

さて、解説シリーズ、次回は最終回です。

 

 

 

ゼーガペイン 10th ANNIVERSARY BOX [Blu-ray]

 

 

配信販売はこちら!ハイレゾも

4月27日、配信販売もスタートしました。

高音質・ハイレゾ配信もやってます。

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ライブのお知らせ

大塚彩子 ピアノ&トーク〜森羅万象(ありとあらゆるもの)〜

2016年6月25日(土) ヤマハ銀座スタジオ

開演16:00(開場15:30) 全席自由 ¥5,400(税込)

新作CD「森羅万象(ありとあらゆるもの)~ピアノで語るゼーガペイン~」の曲を中心に、ジャンルを超えた癒しのピアノと心の奥深くに旅するお話。

チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:296615)

http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=1618339

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